2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
イノベーションのための学習と空間として (1)拡散する知識と凝集する知識 (2)イノベーションの価値連鎖 (3)関係構築のための信頼と評判 について見てきました。 今回は(4)イノベーションの空間的分業 について考えていきます。 1つのイノベーシ…
『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)』 が書き示すように、日本の地域は人口減少により将来消滅すると言っても決して驚くような言説ではなくなりました。 下図は愛媛県八幡浜市の人口動態を示したグラフです。1950年に7.3万人だった人口が20…
イノベーションのための学習と空間として (1)拡散する知識と凝集する知識 (2)イノベーションの価値連鎖 について見てきました。 今回は(3)関係構築のための信頼と評判 について考えてみます。 イノベーション創出の取組みでは、多様な組織間で関係…
世界にはハイテク、特にデジタル技術をもとにした新しいビジネス活動が集積している都市・地域があります。 以下、世界のテックシティーについて紹介していきたいと思います。 まずは、イギリス編 イギリスには優れた学術機関があります。2020年THEの世界大…
大学に対する不満が大きく論じられています。 特にYou tube界隈ではホリエモン、イケダハヤト、マナブ、岡田斗司夫、ひろゆき などによる大学不要論が大きく展開されています。 彼らの主張の多くは、大学は時代に合っていないオワコンである。自分たちも大学…
先日は知識の拡散性と凝集性についてみてきました。 今回はイノベーションの価値連鎖について考えてみたいと思います。 イノベーションを知識の創造と連鎖として捉えた場合、イノベーションとは一つのアイデアやコンセプトの着想からプロダクト・サービスの…
馬田隆明(2019)『成功する起業家は「居場所」を選ぶ』日経BP 著者はマイクロソフトでの勤務経験を経て、現在、東京大学産学協創推進本部でスタートアップの支援などを行っている。 成功するスタートアップの多くは起業家の能力だけではなく、時の利、地の…
知識経済社会において交通・通信技術が発達することで知識を広範囲なところから探索して調達することが可能となりました。 同時に、ハイテク人材や高度技能者の人材獲得競争は激しい状況であり、高度な科学技術に関する知識のみならず、そのような人たちが持…
ジョエル・モイキア、監訳長尾伸一、訳伊藤庄一(2019)『知識経済の形成 産業革命から情報化社会まで』名古屋大学出版会 本書は 経済史の泰斗である米国ノースウエスタン大学教授のジョエル・モイキアの”The Gift of Athena””の邦訳本です。彼は、技術革新…
昨日のWeb News Business Japanに「なぜ広島県が人口流出ワースト1位…」という記事があり、気になりましたので、データーソースの住民基本台帳人口移動報告2019年(令和元年)結果にあたってみました。 まず、広島県の状況を見る前に、内閣府の「まち・ひと…
先日のブログで、地域イノベーションの課題として、大きく分類して(1)イノベーションのインパクトおよび地域への波及 (2)イノベーションの領域とマネジメント が考えられます、と申し上げました。 本日は(2)イノベーションの領域とマネジメント に…
20世紀を代表する産業都市としてアメリカ・ミシガン州のデトロイトが挙げられる。デトロイトは自動車産業の興隆とともに発展していった町である。デトロイトの興隆から衰退の軌跡について見ていきたいと思います。 1. デトロイトとフォードの発展 自動車産…
1回生の授業でフィールドワークの基礎編を担当していますが、その授業での指導内容を簡単に紹介します。 <基本姿勢>・新しいものに心を開く(好奇心をもつ)。 些細なものでもいいから、不思議に思うこと、真新しいもの、矛盾、謎に目を向ける。 意外なも…
新年度から新教育指導要領が大幅に改定になり、小学校から教育の仕方が大幅に変わります。それを先取りする形で、大学でも文部科学省からアクティブラーニングを取り入れるように指導されています。 アクティブラーニングとは、学修者が能動的(アクティブ)…
地域イノベーションの課題として、大きく分類して(1)イノベーションのインパクトおよび地域への波及 (2)イノベーションの領域とマネジメント が考えられます。 本日は(1)イノベーションのインパクトおよび地域への波及 について考えてみたいと思い…
従来、イノベーションは、企業内で起こされるものと捉えられてきたが、現在では、企業単体ではなく他企業とのアライアンスや大学や公設試験研究機関との連携など企業外とのネットワークの中で起きるものであると捉えられるようになってきています。 つまり、…
第2期まち・ひと・しごと総合戦略がはじまりましたが(自治体レベルでは総合戦略の策定真っ只中ですが)、それはそれとして、地方の今後を考えていく上で新しい地域のガバナンスの在り方を考えなければいけないと思っています。 なぜなら、住民ニーズの多様…
2月8日のブログでも書きましたが、アメリカを中心にテックシティへの富の集中が進んでいます。 最近、イギリスLSEのSimona Iammarino教授らがデジタルテクノロジー企業の富の偏在が地理的に与える影響について分析していますので、ここに簡単に紹介します。 …
イノベーション活動は、迅速に知識や人材などのリソースを集め、イノベーションを効率的に起こし、普及させていくことが求められています。 そのため、イノベーションのコミュニティには参加者を誘引する強力な磁場(マグネット)となる拠点があります。こう…
宇田川元一(2019)『他者と働く』Newspicks Publishing 著者は、対話こそが新しい関係性を構築し、ひいては組織を形成すると社会構成主義から組織を議論しています。 対話のプロセスを「溝に橋を架ける」という行為に例えて、以下4つのプロセスを経て対話が…
イノベーションのネットワークは、それを構成する企業や大学およびそれらに所属する人々が特定の目的や言語(コード)、文脈を共有しコミュニケーションを密に行っていくことでイノベーションのコミュニティへと発展していきます。 コミュニティとは、地域共…
昨年の12月にアメリカのBrookings 財団からアメリカの成長拠点であるテックシティーの状況に関するレポートが公表されました。 アメリカのイノベーション産業は活況を呈しており、その様な産業が集積しているテックシティ(イノベーション・ハブ)も大きく成…
地域産業政策は地域にある既存の産業の支援が中心となり、未来の産業を育てる仕事が片手間にやられていることが多いです。 地域の産業は税金も払っており、雇用も多く抱え、ステークホルダーとして行政との関係も強く(声も大きく)、地域に大きな影響力を有…
地方都市に住んでいると、”イノベーション”という言葉とそれに対する反応が東京の大手企業やマスコミで捉えられているものと違うと感じます。 イノベーションを取り巻く地域の雰囲気について、以下にその違いの背景について述べていきたいと思います。 ①イノ…
都道府県別の就業者数の変化を見てみました。 (資料 総務省「労働力調査」を参照) 図1は全国の就業者数の2002年から2018年の変化をみたものです。2002年には6335万人であったものが、東日本大震災後の2012年には6278万人に落ち込み、2018年には6667万人に…
かつて日本はアジアで最も経済的に豊かな国でした。1994年まではほぼ右肩上がりに伸びていましたが、それ以降は横ばいと言えます。 2007年にはシンガポールに抜かされ、2014年には香港にも抜かされました。現在のシンガポールの数値は日本の1.6倍、香港は日…
日本の各空港はインバウンドブームで乗降客数を伸ばしていますが、世界的に見たらどのような状況なのでしょうか。 下表はAirport Council Internationalが発表した世界空港ランキングです。 表1は旅客者数のランキングです。 1.アトランタ(米国) 2.北…
イノベーションの創出のためには、他組織との連携を図るオープン・イノベーションが重要であり、そのオープン・イノベーションでは、新しい知識の創造という学習が行われています。つまり、オープン・イノベーションは組織と組織の間で行われる組織間学習と…
全国各地でインバウンドの拡大策がはかられています(中国のコロナウイルスの動向は気になりますが)。 愛媛県でも外国人観光客が2014年から2017年の3年間で約1万人弱増えています。県だけを見ると観光客数が順調に増加していますが、全国的に見たらまだまだ…