地域戦略ラボ

地域づくり・まちづくりに興味がある人、したい人のための学びのメディア

2016-01-01から1年間の記事一覧

大学の地域連携についての論文をまとめました。

12月に発刊された産学連携学会誌では【特集 大学の地域連携マネジメント】の編集を担当し、個人としては「大学の地域連携の活動領域と課題」という論文で日本における大学の地域連携活動における現状と課題についてまとめた。 内容としては、大学の地域連携…

コミュニティ開発としてのシビックエコノミー

最近、シビックエコノミーという言葉を耳にする。社会の課題に向き合い、事業性を考えながら社会に役立つ解決策を図るような活動を指すことが多い。しかし、それではソーシャルビジネスと同じではないかと思う。 そこで、『日本のシビックエコノミー』という…

勝手に広島県改造計画

広島県および広島市はポテンシャルが高く、日本国土のなかでも重要な場所だと前から思っていた。最近、福岡が注目されているが、福岡は朝鮮半島に近すぎる。広島は朝鮮半島に近すぎず、遠くもなく、程よい距離感である。明治期に広島市に陸軍がおかれ(なの…

天才は、ある時、ある場所に凝集して現れる。

私は イノベーションの場所性について考えているので、エリック・ワイナーの『世界天才紀行』について、とても興味深く読んだ。何せこの本の原題は”The Geography of Genius"なのだから。 天才を才能論で論じるのではなく、創造性は、特定の場所で、特定の時…

電気自動車の時代が来る

今日、ある大学の研究所で開発中の電気自動車に乗せてもらいました。 うるさくないし、臭くないし、走りも安定していたし、これは電気自動車の時代が来ると実感しました。 第一燃えていないのがいいですね。燃えているものを走らせることはなんとなく心地悪…

イノベーションはマネジメントできるのか?

2016年9月1日の野城先生の『イノベーション・マネジメント』の書評でも取り上げたが、現在日本のイノベーション観は、技術革新中心であり、技術が優れていればイノベーションが起きるという見方に引きずられていると。 東京大学i-schoolのディレクターの横田…

オガール(OGAL)紫波にいってきました。

盛岡出張で盛岡市内のビジネスホテルに泊まるのも面白味がないと思い、紫波町のオガールインに泊まり、オガールの施設を視察してきました。地域活性化の取り組みであちらこちらで紹介されているのでご存知の方も多いかと思いますがオガール紫波は約10haの町…

宮沢賢治と岩手大学

岩手大学に行ってきました。地域創生およびCOCの取り組みなどで意見交換してきました。岩手大学はこの国立大学の中期計画で地域に貢献する大学を選択しましたが、もともと地域貢献のためにつくられた大学なので、特に変化はないとおっしゃっていました。確か…

有機ELディスプレイ投資に勝ち目はあるのか?

山形県米沢市の有機ELの取り組みの調査を行っていたこともあり、有機EL業界の動向はウォッチしていたが、日本メーカーから景気の良い話はその後聞いていない。1997年に東北パイオニアで世界で初めて実用化された有機ELディスプレイだが、その後東芝もパナソ…

えひめ・まつやま産業まつりで「紅まどんな」を買いました

松山市の城山公園で開催されている えひめ・まつやま産業まつり「すごいもの博2016」に行ってきました。 松山市の単なる産業展ではなく、マスコミもタイアップして大木こだま・ひびきやテツ and トモなどがステージでライブを行っておりました。うちが行った…

神山町でさえもこの状況

よく地方創成の成功例として取り上げるものの一つに徳島県神山町があります。 NPO法人グリーンバレーの大南信也さんらが中心になって、地域活性化に取り組んでいます。IT企業のSansanがサテライトオフィスを開いたり、若い移住者が来たりしていると話題にな…

グローバル主義の退潮と地域主義の停滞

トランプが大統領になり、イギリスがEUを脱退する。中国やロシアは昔から国家主義であり、世界全体がグロバル主義とは逆のベクトルで動くようになっている。 つまりは、国(ナショナル)レベルの力が強くなっている。このことは、その作用として地域(サブリ…

クラスター政策再考

今回参加の学会は、クラスター政策がテーマの学会でした。学会の最終日のセッションのカテゴリーとしては、ラーニング・マネジメント、ガバナンス、評価の3本でした。 ラーニングについては、如何に産学官の関係を構築するか、企業と企業のマッチングをする…

オープン・イノベーションの場としてのハイテク・キャンパス

再三書いているようにアイントホーフェンはフィリップスの町です。そのフィリップスが自分の研究所を開放してオープン・イノベーションの場所を提供し、ベンチャー創業を支援するなどしてイノベーションのエコシステムを構築したのは、新しいビジネス環境に…

アイントホーフェンの企業回り

今日から学会がスタートしました。 初日はテーマごとのツアーです。私はハイテク・ツアーに参加し企業とハイテク・キャンパスを回りました。 まずはVDLというフィリップスの機械部門を2006年に買収して成長した会社に訪問しました。同社は製造受託会社で、自…

アイントホーフェンに来ました。

オランダのアイントホーフェンに来ました。 アイントホーフェン市は人口約22万人、都市圏で約74万人の中規模の都市です。ニューカッスルよりちょっと小さいかな。都市圏の人口では松山とほぼ同じ規模です。フィリップスの企業城下町であったところですが、19…

ゆるキャラグランプリ2016

ゆるキャラグランプリが松山市で開催されていました。松山市の会場では2日間で5万人集めたそうです。 グランプリは高知県須崎市のしんじょう君だそうです。みきゃんのほうが全然かわいいと思う。 まちビジネス事業家の木下斉さんは、ゆるキャラビジネスのよ…

日本の大学生は世界一賢い?

BBCの報道によると、OECDから国別の大学卒業生のテスト結果が発表されたそうである。それによると日本の学生が最も優秀だそうである。 現場にいると本当なのだろうか?っと疑ってしまう。論理的に考えられない、文章が書けないのが普通な状況である。それで…

人口減少社会

地方では人口減少がリアルに存在しています。地域経済論の授業に出席している学生のも人口問題に高い関心を示しています。 Yahoo!ニュースでは、吉川洋の『人口と日本経済』と村上由美子の『武器としての人口減社会』を紹介しています。その中で、イノベー…

今治造船 大型コンテナ船13隻受注

今治造船が2万個の積載容量を持つ大型コンテナ船13隻を受注したと日経新聞で報道しております。大型受注で景気のいいことである。 西条と丸亀の2か所の造船所で建造するらしいが、丸亀に400億円投じて600メートルのドックを建設する予定である。西条のドック…

デジタルテクノロジーに遅れる日本

当ブログ9月20日の 「デジタルシティー/テックシティー」に書いたことではあるが日本は技術におけるデジタル化(digitalization)の認識が遅れていると感じている。デジタル化とはTVのアナログ波がデジタルになるという話ではない。デジタル化の技術変化に…

地域経済論の授業が始まりました

今学期から法文学部の夜間コースで「地域経済論」の授業が始まりました。初日の昨日は122名の履修登録者の内、93名が出席しました。7日まで履修再登録が可能なので、本登録はもう少し人数が減るでしょう。 授業の最後に本講義でどのようなことを学びたいのか…

四国中央市は日本一の紙のまち

四国中央市の愛媛大学紙産業イノベーションセンターが入居している愛媛県紙産業技術センターと大王製紙三島工場に行ってきました。 ご存知のように、四国中央市は伊予三島市と川之江市が合併して以来11年間、紙・パルプの製造品出荷額が日本一のまちです。出…

ニューカッスル大学 都市・地域開発研究センター(CURDS)

9月12日にニューカッスルに行ったことはこのブログでも紹介しましたが、訪問先が私の訪問をHPで紹介してくれました。これで来年も調査で訪問しなければいけないことになりました。 下記URLをご覧ください。 News Item - Centre for Urban and Regional Devel…

日本は経済大国でしょうか?

日本は世界第3位の経済大国って言われていますが、本当でしょうか?統計データから見ると現在の日本のGDPの大きさは合衆国、中国に次いで世界第3位なのでそう言えるでしょう。しかし、最近のパフォーマンスはどうなのでしょうか? 21世紀になってからの国富…

デジタルシティー/テックシティー

ロンドンの東部にデジタルテクノロジーをベースとしたクラスター”Tech City”が形成されていることは有名ですが、イギリスではそれを全国に拡大させようという動きが展開されています。 確かに、ロンドンはデジタル産業の就業者数が最も多い地域ですが、就業…

イギリスの地域政策

イギリスの地域政策といっても正確にはイングランドの地域政策について調査しています。イングランドの地域政策はしょっちゅう変わり、それを理解するのがとても大変です。政策における”地域”という括りが一定していなく、”地域”の定義(地域とは何なのか)…

シェフィールドに来ました。

シェフィールドに来ました。マーシャルも言及している製鉄業で栄えた”元祖"産業集積です。 ケルハム島の産業博物館はシェフィールドにおける製鉄の歴史を展示してあったとても面白いです(興味があればの話ですが…)。今『Steel City』という本を読んでいる…

ストックトンに来ました。

ストックトンとは1825年に世界で最初に蒸気機関車の鉄道がダーリントンまで結ばれたところです。誰もが認めるものすごいイノベーションですよね。 下の写真は町の中心部にあるスチーブンソンの蒸気機関車を記念してつくられたモニュメントです。午後1時にな…

ミドルスブラに来ました。

今日はミドルスブラに来ました。製造業中心の地域です。 tatooを入れた人が多いし、若い子持ちの夫婦が多いし、確かに豊かなとは言えない地域です。昨年隣町のSSIの製鉄所が閉鎖され3000人の労働者が余剰になったそうです。地域経済としてはかなり病んでいる…