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ジャパン パッシング(世界空港ランキングに見る日本の空港の機能的地位の低下)

日本の各空港はインバウンドブームで乗降客数を伸ばしていますが、世界的に見たらどのような状況なのでしょうか。

下表はAirport Council Internationalが発表した世界空港ランキングです。

表1は旅客者数のランキングです。

1.アトランタ(米国)

2.北京(中国)

3.ドバイ(UAE

4.ロサンゼルス(米国)

5.東京羽田

8.香港

9.上海(中国)

16.仁川(韓国)

東京羽田空港が5位と上位に位置しています。

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表2は国際線旅客者数のランキングです。

1.ドバイ(UAE

2.ロンドンヒースロー(英国)

3.香港

4.アムステルダム(オランダ)

5.仁川(韓国)

7.シンガポール

11.台北(台湾)

17.東京成田

国内線の利用約数が多い、米国、中国の空港のランクは下がっています。東京羽田も国内線中心なのでランキングには載っていません。その代わりドバイや香港など国内線のない空港が上位にランキングしています。特に仁川(韓国は)旅客者数全体では16位ですが、国際線のランキングで見ると5位に大幅上昇しています。

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表3は貨物線トン数のランキングです。

1.香港

2.メンフィス(米国)

3.上海(中国)

4.仁川(韓国)

5.アンカレッジ(米国)

8.台北(台湾)

9.東京成田

16.北京(中国)

仁川(韓国)は4位で、東京成田は9位で、国際線旅客数につづいて仁川(韓国)の方がランクが上位です。

デルタ航空のアジアのハブが成田から仁川に移るし、旅客ばかりでなく、貨物でも仁川の方がハブとしての機能が高くなっています。かつて東南アジア-北米線は日本に立ち寄っていましたが、現在は仁川経由になっているのでしょう。

デルタの属するスカイチームの連携航空会社が日本になくて、大韓航空スカイチームなので致し方ない点がありますが、日本の空港のネットワーク性が弱く、機能的地位が低くなっていると言えます。

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今年北京にさらに大きな空港が開港しました。日本の空港は大体整備済みというところでしょうが、周辺アジア諸国の発展もあり今後30年を見据えて整備(撤退)を考えていかなければならないでしょう。