地域戦略ラボ

地域経済や地域マネジメントに関していろいろな事を考えていきます。

データで見る東京一極集中:地方創生総合戦略1期の検証

昨日のWeb News Business Japanに「なぜ広島県が人口流出ワースト1位…」という記事があり、気になりましたので、データーソースの住民基本台帳人口移動報告2019年(令和元年)結果にあたってみました。 

 

まず、広島県の状況を見る前に、内閣府の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」の目的意識が人口の東京一極集中是正にありましたので、よく見るグラフではありますが、3大都市圏の転入出超過者数(外国人含む)の推移を見ます。図1の3大都市圏転入出超過者数の推移から、内閣府の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」が本格的にスタートした2015年からを見ても、名古屋圏、大阪圏は横ばいですが、東京圏の転入超過者数が伸びていることがわかります。

 

図1 3大都市圏転入出超過者数の推移

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都道府県の2019年の状況を図2から見てみると、転入超過となっているのは東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,大阪府,福岡県,滋賀県及び沖縄県の8都府県だけです。

一方、転出超過となっているのは広島県茨城県長崎県新潟県など39道府県で、転出超過数が最も拡大しているのは広島県(1961人)です。愛知県が前年の転入超過から転出超過へ転じてます。

図2 都道府県別転入出超過者数(2018-2019)

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地方中枢都市に人口をとどまらせて、東京への流出を防ごうという「人口のダム」という考え方がありましたので、政令指定都市の転入出超過者数を図3で見てみます。地方圏の中では、札幌市、仙台市、福岡市、熊本市がプラスになっています。他の新潟市静岡市浜松市岡山市広島市はマイナスになっています。

広島県は人口流出傾向にありますが、広島市も人口のダムになりえていないことが窺えます。

 

図3 政令指定都市別転入出超過者数(2019年)

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図4は内閣府の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」が本格的にスタートした2015年から2019年までの札幌市、仙台市広島市、福岡市の転入出超過者数の推移を見ています。

札幌市、福岡市は地域での人口のダムの機能を果たしています。仙台市も東北各県、宮城県の移動がマイナスの中、プラスを維持しており、かろうじて人口のダムの機能を果たしています。

 

図4 札幌・仙台・広島・福岡市転入出超過者数推移(2015-2019)

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図5は2019年の年齢3区分別転入出超過者数の上位20市町を見ています。札幌市は道内から高齢者が集まっていることが指摘されてきましたが、若年層、生産年齢人口層でも人口を集めています。福岡市では生産年齢人口層でも人を集めています。仙台市広島市では高齢者人口増で人を集めていますが、若年層、生産年齢人口層での人を集める力が札幌市や福岡市に比べ弱いと言えます。

 

図5 年齢3区分別転入出超過者数の上位20市町(2019年)

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自治体で地方創生総合戦略の2期がスタートします。政府の地方創生大臣が適材適所で配置されましたので、5年後の結果が懸念されるところです。