地域戦略ラボ

地域づくり・まちづくりに興味がある人、したい人のための学びのメディア

イノベーション

イノベーションのためのプラットフォームの構築

イノベーション活動は、迅速に知識や人材などのリソースを集め、イノベーションを効率的に起こし、普及させていくことが求められています。 そのため、イノベーションのコミュニティには参加者を誘引する強力な磁場(マグネット)となる拠点があります。こう…

イノベーションのためのコミュニティとは

イノベーションのネットワークは、それを構成する企業や大学およびそれらに所属する人々が特定の目的や言語(コード)、文脈を共有しコミュニケーションを密に行っていくことでイノベーションのコミュニティへと発展していきます。 コミュニティとは、地域共…

アメリカのテックシティーの興隆

昨年の12月にアメリカのBrookings 財団からアメリカの成長拠点であるテックシティーの状況に関するレポートが公表されました。 アメリカのイノベーション産業は活況を呈しており、その様な産業が集積しているテックシティ(イノベーション・ハブ)も大きく成…

イノベーションをとりまく地方的雰囲気について

地方都市に住んでいると、”イノベーション”という言葉とそれに対する反応が東京の大手企業やマスコミで捉えられているものと違うと感じます。 イノベーションを取り巻く地域の雰囲気について、以下にその違いの背景について述べていきたいと思います。 ①イノ…

[教材動画]マンチェスターの盛衰を授業として行っています。

大学の授業の1コマを使って、産業都市マンチェスターの盛衰について学習しています。 産業革命が起きた都市としての発展から、20世紀に入ってからの衰退、そして近年クリエイティブ都市としての復活について解説しています。 マンチェスターは一般的にはマン…

学習プロセスとしてのイノベーション

イノベーションは、ものやサービス、技術、ビジネスモデルなど様々なかたちで生み出されるが、それら創出の共通的要素として新しい知識の創造が不可欠であることがあげられます。 イノベーションのプロセスでは、例えば、研究開発では科学的原理や物性に関す…

イノベーションのためのプレイス(場所)ブランディングを考えています。

地域ブランディングと言えば、地域特産品のブランド化や観光における観光商品の開発においての議論が多いです。 しかし、イノベーションの創成においてもプレイス(場所)ブランディングが重要だと考えます。なぜなら、イノベーションのためには、多くの資金…

オープン・イノベーション3.0

企業は研究開発の戦略において、弊害の大きくなった自前主義を見直し、自社内の研究資源にとらわれることなく、大学などの研究機関や他企業から技術やアイデアなどを、アライアンスのような形で積極的に取得するようになっていきました。 企業の研究開発は、…

[教材動画]シリコンバレーの成立ちがよく分かる動画

大学の授業「産業立地論」「地理学入門」でシリコンバレーについて解説しているのですが、学生のイメージがわきやすいように動画を授業で流しております。 Animated timeline shows how Silicon Valley became a $2.8 trillion neighborhood(3分54秒) www.y…

科学技術イノベーション政策に地政学的視点が必要である・

イノベーションの場所を巡る競争は、地域の問題ではなく国の問題である。 各国の科学技術イノベーションの振興は、科学技術における地理的中心の構築をめぐる競争でもある。それに伴い競争力を持った産業を有する国の顔ぶれも変遷してきた。 その産業競争力…

科学技術に場所は必要である

科学とは、真理の追究であり、文脈に依存しない普遍的かつ客観的な知識であるとされている。科学者は、知識に関して普遍性を好み、特殊性を忌み嫌う傾向にあると言える。 しかし、科学が生れる空間とは特定の場所(ローカル)である。科学という知識が生れる…

『イノベーションの空間論』という本を出版します。

2018年8月19日のこのブログでも書きましたが本を執筆しておりました。 think-region.hatenadiary.jp それから1年5か月いろいろと紆余曲折があり、ようやく古今書院で3月末を目標に出版することが決まりました。 現在初校を校正しています。 本の内容は、前著…

地域イノベーションを5つに類型化してみました。

地域イノベーションと一口にいっても多様であり、捉え方の違いを十分認識したうえで議論する必要があると言えます。そこで、地域イノベーションの取組みを技術と活動の志向性を軸として5つに類型化してみました。 名称 特徴 ①-A 技術基盤構築型地域イノベー…

”イノベーション”って“創新”って言い換えようよ

「企業の発展には”イノベーション”が重要だ!」「地域の活性化には”イノベーション”を起こすことが必要である!」などと”イノベーション”は世間で幅広く使われる言葉となっています。 ”イノベーション”ってその昔は”技術革新”って言われていました。しかし、…

ローカル・イノベーションに関する論考が公表されました。

愛媛県の(株)キシモトという会社が骨軟化技術を活用して頭から骨までまるごと食べられる魚干物の開発を行いました。 その開発プロセスを産学官の組織間学習として捉えた論考「地域における組織間学習としてのローカル・イノベーション:(株)キシモト「ま…

「愛媛のイノベーション30選」が発表されました

愛媛県発明協会の創立80周年を記念して、愛媛県で成長を遂げ、愛媛県の経済の発展に大きく寄与した30のイノベーションブランドが選定されました。 「産業・科学の進歩」部門から21件 「新しい形式の農林水産」部門から5件 「都市構造の再構築」部門から4件…

『(仮称)イノベーションの空間と場所』という本を執筆しています。

今年の松山は酷暑で7月からずっと暑い日々が続いています。その中、この夏休みの私自身への宿題として『(仮称)イノベーションの空間と場所』という本を執筆しています。 文部科学省科学技術学術政策研究所在籍時に行っていた香川県の希少糖の実用化の取組…

産学連携学会でローカルイノベーションについて発表してきました。

山口県山口市の山口県教育会館で行われた産学連携学会に参加してきて、「ローカルイノベーションにおける組織間学習」について発表してきました。 愛媛県の水産加工会社が開発した骨までまるごと食べられる魚の干物「まるとっと」を事例にその開発における産…

地域イノベーションについて論考が掲載されました。

地域イノベーションについては、2017年1月6日の本ブログでも書きましたが、それらをまとめた本『キーワードで読む 経済地理学』が原書房より出版されました。 この本は経済地理学会の60周年を記念して出版されたものであり、40の項目を76名の執筆者により書…

北陸の炭素繊維複合材CFRPの取組みについて電子ジャーナルに公表しました。

石川県と福井県を中心として行われている炭素繊維複合材開発の取組みについて日本地理学会の電子ジャーナルE-Journal GEOに「北陸地域における炭素繊維複合材(CFRP)の実用化の取組みと政策展開」という題名で公表しました。 電子ジャーナルなので、誰でもア…

地方国立大学における国際ネットワークの形成

熊本大学におけるマグネシウム合金の研究開発を取り上げ、地域貢献を標榜する地方国立大学においても、世界的な研究を行い、国際的なネットワークを構築している事例を文部科学省科学技術・学術政策政策研究所の機関誌で紹介しました。 [概要] 地域の大学の…

科学技術イノベーションは地政学的に大きな影響を与える:トーマス・ヘイガー(2010)『大気を変える錬金術』みすず書房

1905年にドイツのフリッツ・ハーバーが窒素と水素からアンモニアを合成する方法を発明し、1913年にBASFのカール・ボッシュが実用化に成功した(ハーバー=ボッシュ法)。それが第1次・第2次世界大戦に与えた影響を記した本である。 窒素自体は肥料として使用…

アイントホーフェンのオープンイノベーションの取組みについて発表してきました。

本日、愛媛大学で中四国都市学会がありまして、昨秋調査しましたオランダのアイントホーフェンの事例を発表しました。 要旨は下記の通りです。将来的には論文にまとめられたらいいなと考えております。 【要旨】オランダのアインホーフェン市はかつて電機メ…

シェフィールドに来ました。Part 2 ハイテク製造業の巻

シェフィールドの近郊にあるAMRC(Advanced Manufacturing Research Centre)に行ってきました。 元々は炭鉱の採石所があったところをサイエンスパークに開発したところに立地しています。 AMRC自体はシェフィールド大学のものですが、ボーイングと共同で運…

イノベーションって何ですか?

「イノベーション」って流行り言葉で多くの人が使っている。1月6日の本ブログ「地域イノベーションって何なのか?」でも取り上げたように、その定義自体で議論が変わってきてしまう。 一橋大学名誉教授の伊丹敬之先生は、本書でイノベーションを「素晴らしい…

高度人材都市ランキング

INSEADの人材に関する国際競争力ランクが発表された。 国別ランクは1位スイス、2位シンガポール、3位英国、4位アメリカ合衆国、5位スウェーデンの順であった。ちなみに日本は21位であった。 今回のレポートでは、都市・地域は人材獲得競争において非常に重要…

地域イノベーションって何なのか?

地域イノベーションという言葉が世間に流布している。各自治体における地方創生のためのまち・ひと・しごと総合戦略の中にも「地域イノベーション」という言葉が躍っている。 地域イノベーションという言葉はBuzz Wordになってしまって、それが指す言葉の意…

天才は、ある時、ある場所に凝集して現れる。

私は イノベーションの場所性について考えているので、エリック・ワイナーの『世界天才紀行』について、とても興味深く読んだ。何せこの本の原題は”The Geography of Genius"なのだから。 天才を才能論で論じるのではなく、創造性は、特定の場所で、特定の時…

電気自動車の時代が来る

今日、ある大学の研究所で開発中の電気自動車に乗せてもらいました。 うるさくないし、臭くないし、走りも安定していたし、これは電気自動車の時代が来ると実感しました。 第一燃えていないのがいいですね。燃えているものを走らせることはなんとなく心地悪…

イノベーションはマネジメントできるのか?

2016年9月1日の野城先生の『イノベーション・マネジメント』の書評でも取り上げたが、現在日本のイノベーション観は、技術革新中心であり、技術が優れていればイノベーションが起きるという見方に引きずられていると。 東京大学i-schoolのディレクターの横田…