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シェフィールドに来ました。Part 2 ハイテク製造業の巻

シェフィールドの近郊にあるAMRC(Advanced Manufacturing Research Centre)に行ってきました。

元々は炭鉱の採石所があったところをサイエンスパークに開発したところに立地しています。

AMRC自体はシェフィールド大学のものですが、ボーイングと共同で運営しています。ボーイングという最終出口が明確なので開発もしやすいでしょう。Airbusも参画しいています。BoeingとAirbusはサプライチェーンの6~7割程度が一緒なので、協調するとことは協調するそうです。

エンジンタービンの製造に関する開発が中心であったのが、現在では、ARMC傘下のもと、原子力、メディカル、金属、鋳造、複合材の開発センターのほかに、職工の訓練センターがあります。

民間企業も集積してきており、Rolls-Royceのほか、多くの企業が集積してきております。最近でもMcLarenがスーパーカーのシャーシ工場の建設を決定したり、Boeing が製造拠点を開設することを公表しております。

ここは成功事例として認識されているようで、AMRCをモデルとして、シェフィールドではAWRC(Advanced Well-being Reseach Centre)として健康福祉研究センターを横展開する予定であるし、イングランド北西地方やウェールズにもAMRCに似た組織を展開する計画があるそうです。

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AMRC自体で働くリサーチャーは約600人、職工の訓練生は250人(一年制)いるそうです。

下はエンジン用タービンブレードの写真です。施設には巨大な切削機械が何台も設置してあり、壮観です。企業がすぐに実用化できるようにフルスケールの設備が並べられています。

鉄鋼の町であるので材料に強みがあるのかと思っていましたが、AMRCの強みはMachiningといってました。

Composite Centreも見学しましたが、写真撮影はNG。炭素繊維の複雑な織ができる機械があり、自分たちでかなりカスタマイズしたそうです。大中のオートグレイブもありました。大きなシャフトもCFRPで製造してました。

下の写真はエンジン用ブレードです。どこまで薄くして強度を保てるか試しています。

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日本は小っちゃな飛行機もろくに作れず納期延期で、ましてや航空機エンジンも作れないですが、あまり製造業の存在感がないイギリスでも、しっかり最先端の技術を開発しておりました。