[教材動画]シリコンバレーの成立ちがよく分かる動画
大学の授業「産業立地論」「地理学入門」でシリコンバレーについて解説しているのですが、学生のイメージがわきやすいように動画を授業で流しております。
Animated timeline shows how Silicon Valley became a $2.8 trillion neighborhood(3分54秒)
(音声は英語なので、字幕をONにして自動翻訳を日本語にすれば訳はちょっと変ですが意味は通じます。)
この動画は、
1)モフェット空軍基地をベースにした軍事産業からHPが成長して、
2)ショックレー教授が優秀な人材を引き連れてパロアルトに戻ってきて、
3)彼らが裏切り者の8人として半導体関連企業を立ち上げて、
5)その後、多くのIT関連企業が育っていった、
ということを説明しています。
シリコンバレーの礎はアップルではなくHPであり、スタンフォード大学の単なる産学連携で発展したのではなく、軍産複合体として成長していったとハッキリ言っています。スタンフォード大学のターマン教授については言及していません。
下の図はシリコンバレーの形成プロセスを示したチャートです。
シリコンバレー形成のポイントとして下記3点があげられます。
①スタンフォード大学ターマン教授の戦略と行動力
・軍やNASAからの研究補助金を獲得し、大学の研究能力の向上を図った。
・地元企業(例 ヒューレット・パッカード)の創業を促し、大学との連携を図った。
・ローカル企業に対し、大学院教育コースを提供したり、企業コンサルティングを行うことにより大学への収入を増やした。
②ショックレー半導体研究所の立地による優秀な技術者の流入
・ベル研究所にいたトランジスターの発明者であるショックレー博士の研究所を誘致することにより、彼の部下である優秀な技術者達が地域とどまり、その後インテルをはじめとしたハイテク企業の創業と発展の礎となった。
③スタンフォード大学の企業家精神と積極的な産学連携制度
・スタンフォード大学は実学重視の理念があり、ビジネスに協力的である。
・失敗を否定するのではなく、経験を活かし再挑戦する人々を歓迎する風土である。
・インド人や中国人などの移民を受け入れる開放性により彼らも地域で起業を行うなどしている。