オープン・イノベーションの場としてのハイテク・キャンパス
再三書いているようにアイントホーフェンはフィリップスの町です。そのフィリップスが自分の研究所を開放してオープン・イノベーションの場所を提供し、ベンチャー創業を支援するなどしてイノベーションのエコシステムを構築したのは、新しいビジネス環境に対応するためである。それを戦略的にうまくやっている。
先日にニコンが1000名のリストラを行うと発表されたが、自社の技術力を過信し自前主義に固執し、技術のトレンドを完全に見誤ったからであろう。半導体製造装置は1990年代までは世界1位だったのに、今ではアイントホーフェンにある本社のあるASMLに大きく差をつけられている。
いくらオープン・イノベーションといっても日本の大手企業は自社で技術の囲い込みに走る。競争力を構築するのは自社の技術開発力のみならず、技術調達力も必要である。そのための外部経済を豊かにすることが必要である。日本の大手企業の技術開発観は10~15年古いと言える。