デジタルシティー/テックシティー
ロンドンの東部にデジタルテクノロジーをベースとしたクラスター”Tech City”が形成されていることは有名ですが、イギリスではそれを全国に拡大させようという動きが展開されています。
確かに、ロンドンはデジタル産業の就業者数が最も多い地域ですが、就業者当たりでは南東部(オックスフォード、ケンブリッジ、レディング、サウザンプトン)の他に、マンチェスターやイングランド北部にもデジタル産業従事者が多い地域があります。
日本は完全にデジタルテクノロジー産業では遅れてしまっているのが現状です。特に地方圏では全く人材がいません。全国的にコンピュータサイエンスの学部がないし、人材育成・供給がまったく不足しています。新しい成長産業はデジタル化の上に生まれるでしょう。地域経済を成長させるには、そのような人材が育ち、働け、住み続けることができることが一つのカギとなると思います。
MITのメディアラボの元所長であったネグロポンテが、自著『ビーイング・デジタル』が売れない国に未来がないと言って、冗談めかして日本では自著が売れていない、とかつて言っていました。その本が出版されたのが1995年、その当時日本は紛れもないハイテク大国でした。それから20年も経ちました。日本はいまでも本当にハイテク大国なのでしょうか?
トヨタモデルのものづくり立国幻想にしばられることなく、新しい時代をつくる技術観が必要だと思います。