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デジタルテクノロジーに遅れる日本

当ブログ9月20日の 「デジタルシティー/テックシティー」に書いたことではあるが日本は技術におけるデジタル化(digitalization)の認識が遅れていると感じている。デジタル化とはTVのアナログ波がデジタルになるという話ではない。デジタル化の技術変化にともなう社会変化への行動・洞察も遅れているのが現実と言える。

テクノロジストであるケヴィン・ケリーの著書『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則』では社会に関する面白い洞察が記されていた。

「…毎日、また別のスタートアップが共同作業をうまく取り込む新しいやり方を見つけている。こうした進展の先に、ネットワーク化した世界特有のデジタル版社会主義のようなものができつあるのだ。

祖父の世代の、政治的な意味での社会主義をさしているのではない。実際のところ、この新しい社会主義と過去のものが違う点は挙げればきりがない。これは階級間闘争を意味するものではない。反アメリカ主義的なものではまったくなく、デジタル社会主義はアメリカの最新のイノベーションとなりえるものだ。昔ながらの政治的社会主義は国家の手段だったが、デジタル社会主義に国家は出てこない。新しいこの社会主義は政府のものではまるでなく、文化と経済の領域で機能している―いまのところは。(p.182)」

最近のシェアリング経済や協働は集産主義的であり、それはデジタルテクノロジーによって達成することができると。

人類は新しい社会的組織を生み出してきたと、今後はテクノロジーによって新たな不可能性の創造を加速させると。

日本のデジタルテクノロジーへの親和性というか受容性(acceptance)の遅れは、新しい社会的組織の創造さえも遅れさせる可能性がある。

  

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則