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有機ELディスプレイ投資に勝ち目はあるのか?

山形県米沢市有機ELの取り組みの調査を行っていたこともあり、有機EL業界の動向はウォッチしていたが、日本メーカーから景気の良い話はその後聞いていない。1997年に東北パイオニアで世界で初めて実用化された有機ELディスプレイだが、その後東芝パナソニックSONYも事実上撤退している。そこにApple8で有機ELが採用になるようであるのでJDI、シャープも有機EL製造に投資するらしい。

しかし、有機ELディスプレイをまともに作れるのは、努力と根性と〇〇で技術をものにしたサムソン1社だけであり、つぶれたコダックから特許を買い取った本気印のLGさえもまだものにしていない(量産はまだという意味)。そこへ、中国の京東方科技集団をはじめとした企業が2兆円有機ELに投資するそうである。そうなったら、日本企業の出る幕ではないであろう。早稲田大学の長内教授は有機EL投資から撤退すべきであるとしている。長内教授はSONYに在籍していらしたし、台湾企業の顧問もしていたので、日本企業に勝ち目がないというのは確かな判断だと思う。

中国人とインド人が出てきたら体力勝負では勝ち目はないので、昔取った杵柄にすがるのではなく、その分野からはおとなしく撤退するのが賢明であろう。

科学技術開発も同様で、投資額が勝負を決める分野では日本の勝ち目はないであろう。日本の科学技術はニッチな分野でしか勝てなくなるのか?限られた投資で世界的に有意義でプレゼンスを示すことが必要であり、そのための確かな戦略が必要であろう。

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