地域戦略ラボ

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産業政策における地域の重要性

ヨーロッパ(特にイギリス)では産業と地域の活性化を”レベルアップ”というコンセプトで展開しています。それを産業政策の地域的展開と捉えています。従来の地域産業政策であると、地場産業やローテク産業などが含まれますが、国の産業政策としてハイテク産業や新規産業を育成するためには、イノベーションを生み出す地域の集積の構築が重要だとしています。EUのスマートスペシャリゼーション戦略も同様の考え方です。

 

 イギリスの産業戦略委員会では産業政策を展開するために、地域をレベルアップさせることが必要であり、その場合の6つの基礎となる要素を掲げています。その6つの要素について以下に示します。

 

投資の規模と持続性

持続的で大規模な公共投資は、民間投資の増加につながる。経済政策の方向性は、地方や国の政治の変化にかかわらず、一貫している必要があります。


コラボレーション

中央政府、地方政府、企業、住民が建設的な関係を築くことで、その場所に特化した支援策を見つけ出し、効果的に実施することができます。


住むのに魅力的な場所

芸術、文化、レクリエーション、観光は、直接的な収入だけでなく、その土地のイメージを再構築することによっても、平準化に重要な役割を果たします。高い生活水準は、住みやすい場所を求める若いプロフェッショナルを惹きつけます。


大学とイノベーション

地域と大学のコラボレーションは、政策の改善や経済成長の促進に役立ちます。大学は政府や民間の資金を集め、イノベーションを促進します。


交通・デジタルインフラ

交通・デジタルインフラは、企業や住民に接続性の基盤を提供します。優れたインフラは新たな投資を呼び込み、その結果、新たな雇用機会を創出します。


スキルと将来の分野

成功している地域は、過去の強みを活かし、将来に向けて継続的に適応していくことに重点を置いています。経済的成功は、スキルへの投資と既存の労働力の維持と密接に関連しています。