「松山都市圏を創造都市にかえる」をテーマにリモート講義を行いました
2020年第3クウォーター(10月、11月)の「産業立地論」の授業は「松山都市圏を創造都市にかえる」とテーマに講義を行いました。
授業登録者は社会共創学部の3・4年生46名でした。
本講義の目的は、知識の習得よりも、1年から3年までで学んだ知識を整理統合してプランを作成する能力の向上と、地域学習に欠けている視野の拡大を狙ったものでした。(なので海外の事例を多く提供しました)
授業は基本的にはZOOMによる同期型の遠隔授業を行い、46名をおよそ5~6名の8グループに分割して、ブレイクアウトルームを活用しディスカッションを行わせました。最後の4回は密を避けるためにもクラスを2分割して教室による対面式のプレゼンテーション(&準備)を行うハイブリッド型としました。
授業は産業集積からイノベーション、産学連携、海外都市の歴史と多岐にわたり、一見取り留めのないような印象を与えますが、授業初日に「松山都市圏を○○で活性化することを考える」というゴールを示し、それを意識し授業に集中するようにさせました。
授業の内容は下記の通りです。
第1回 |
10月2日 |
ガイダンス |
||
第2回 |
10月6日 |
産業立地と集積 |
宿題 |
|
第3回 |
10月9日 |
知識経済における集積 |
||
第4回 |
10月13日 |
イノベーションについて |
グループディスカッション、宿題 |
|
第5回 |
10月16日 |
イノベーションと制度 |
テーマ決定 | |
第6回 |
10月20日 |
産学連携の仕組みと現況 |
GD、宿題 |
|
第7回 |
10月23日 |
産業都市の誕生(マンチェスター) |
||
第8回 |
10月27日 |
GD、宿題 |
||
第9回 |
10月30日 |
ハイテク産業地域の変遷(シリコンバレー①) |
||
第10回 |
11月6日 |
ハイテク産業地域の変遷(シリコンバレー②) |
GD、宿題 |
|
第11回 |
11月10日 |
創造都市論(バンクーバー) |
||
第12回 |
11月17日 |
グループディスカッション (プレゼン準備) |
||
第13回 |
11月20日 |
グループディスカッション (プレゼン準備) |
||
第14回 |
11月24日 |
プレゼンテーション (前半) |
||
第15回 |
11月27日 |
プレゼンテーション (後半) |
途中宿題を5回課し、固定メンバーによる5回のグループディスカッションを行う反転教育を行いました。
1 イノベーションについて
2 地域活性化における大学の役割
3 テーマに関する松山都市圏の地域資源、他先進事例
4 テーマに関する松山都市圏のSWOT分析、PEST分析
5 松山都市圏における創造性を生かした地域活性化案
まずは宿題として個人で考えて、授業時間に班で発表・ディスカッションさせ、クラス全体で発表・ディスカッションというように学びの輪を拡大させ、新たな気づきが多くなるような学びの場を構築することを心掛けました。それを授業の講義内容とリンクさせ、不足分を補いました。
メンバーを固定してディスカッションをおこなわせることで、最終プレゼンテーションに向けたチームビルディングにつながりました。
地域活性化のテーマはハイテク、アート、サブカル、医療、スポーツとし、くじで各班に割り当てました。
学生が行った最終プレゼンテーションの題は下記の通りです。
・革新、愛媛をシリコンバレーへ
・施設に投資せず人に投資せよ(サテライトオフィスによる地域振興)
・たたかえサバゲ―の街
・松山サブカル (道後温泉と鬼滅の刃のコラボによる観光客誘致)
・ちょっとでいいけん、県美にいってみん(方言音声ガイドによる愛媛県美術館活性化)
・メディカルツーリズムで松山を医療観光都市に
・Fun To Sports(ノルディックウォーキング、サイクリングによる活性化)
・アート砥部焼
プレゼンは各チームいろいろ調べてユニークかつ多様性に満ちた発表となりました。
学生はいろいろな分野で松山都市圏の発展の可能性を感じて視野が広がったことと思います。
昨年は同じようなことを対面式授業でやっていましたが、ZOOMを使った遠隔授業の方が各自が個人で考えられる時間があり、グループワーク・プレゼンテーションの内容が良くなったと思います。
リモートによるグループワークでは教員の目が行き届かないので最後に班メンバーのPeer評価をさせました。
参考文献はリチャード・フロリダの『新クリエイティブ資本論』と拙著『イノベーションの空間論』でした。
上記の授業に興味がある人はご連絡ください。
twitter: @nozakazoo