地域戦略ラボ

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ヨーロッパのイノベーション首都2020にルーベン(ベルギー)が選定されました。

EUでは2014年からヨーロッパにおける先進的なイノベーションの取組みを行っている都市地域をi-capital(首都)として表彰しています。今年はベルギーのルーベンが選定され、100万ユーロを獲得しました

 

ルーベンはルーベンカトリック大学やIMECなどの学術・研究機関があり、科学技術の集積が見られます。しかし、それだけで評価されたわけではなく、イノベーションに市民を巻き込んだミッション・ドリブン・シティーをつくるガバナンスが評価されました。

 

今年の優秀都市地域として表彰された他の候補は、クルジュナポカ(ルーマニア)、エスポ―(フィンランド)、ヘルシボリ(スウェーデン)、バレンシア(スペイン)、ウィーン(オーストリア)で、10万ユーロを獲得しました。

 

i-capital(イノベーション首都)のコンセプトでは、オープンでダイナミックなイノベーションのエコシステム構築に貢献する、市民がガバナンスや意思決定に加える、イノベーションをレジリエントでサステイナビリティに結びつけることが基準となっています。

なので、ハイテク産業の中心地として○○バレーをつくる動きとは異なります。

 

イノベーションとは地域によって違いがあり、市場主義に基づくアメリカ型のイノベーション、中国や韓国などの東アジアに代表される国家型のイノベーション、市民参加を重視するヨーロッパ(北欧型)のイノベーションがあるとされています。

なので、このヨーロッパ・イノベーション首都もイノベーションシステムにおける市民の参加を重視しています。

 

日本はイノベーションといえばアメリカ型の破壊型のイノベーションによる新製品・新市場の創造をイメージすることが多いですがそれほどのダイナミズムはなく、中国や韓国ほどの強力な国家のイニシアチブを発揮できないという中途半端な状態と言えるかもしれません。

日本はヨーロッパと同様にそれほど高い経済成長は望めない成熟社会なので、やみくもに経済的効果を目指す破壊的イノベーションを目指すモデルより、文化や社会志向の高いイノベーションを目指すべきだと考えますが、ヨーロッパほど市民意識が高くないのでそれもなかなか難しいのかなと思います。

 

ちなみに、2014年から始まったヨーロッパ・イノベーション首都ですが、受賞地域は以下の通りです。

2014年 バルセロナ(スペイン)

2016年 アムステルダム(オランダ)

2017年 パリ(フランス)

2018年 アテネギリシア

2019年 ナント(フランス)