この激動の社会における学習について考える。
私の勤務している大学では4月8日から授業が開始される予定ですが、従来通りの内容(コンテンツ)で教えることが、学生にとって本当に意味があるものかどうか逡巡しています(当然、時代の変化にかかわらず変わらぬ価値のある科目もあると思いますが)。
特に、コロナ後の世界は、政治、経済、社会について大きく変化することが想定されていますので、それに関連する社会科学は今まで常識として教えていたことが通用しなくなっていくでしょう。
山口周氏は著書『ニュータイプの時代』の中で、
「VUCA化する世界において経験の価値はどんどん目減りしていくことになります。そのような世界にあって「経験・知識の量」と「意思決定の権限」を相関させヒッポ(一番給料の高い人の意見に従うよう)なシステムを採用するオールドタイプの意思決定スタイルを継続していくことは、きわめてリスクが大きいと言わざるを得ません」(p .325)と述べています。
これからは、山口氏が主張していた経験の無価値化が今回のパンデミックによる圧倒的な社会変化によって確実かつ急速にもたらされると言えます。
今までの経験などから導かれたモデル、パターンが価値がなくなっていくことでしょう。さらに、今までの知識が逆にバイアスとなって新しい社会を見通す障害になる可能性がります
そのため、我々は今までの経験や場合によっては学んだ知識をリセットし、ゼロベースで考えていかなければならないでしょう。しかも、迅速に試行錯誤しながら学習していくことが必要と言えます。