地域格差は是正されるのか?
地域格差の是正について、高度成長期は、日本全体が経済成長する中で、産出された富の分配として富める地域から富めない地域へ経済的支援という側面がありました。
しかし、国全体が経済成長していない中で、富を分配すること自体が難しくなっていっています。
東京一極集中で東京圏の一人勝ちということが言われますが、東京は日本の中で相対的には豊かな地域であるが、昔ほど富を多く生み出しているとは言えません。なので、地方に多く資金を委譲できる状態ではありません。
政府が地域の自助努力を求める政策は1990年代から行われてきたアプローチであり約30年間にわたり展開されています。特に2000年代前半の小泉内閣の時には、三位一体の改革として地方交付金が削減されました。
地域の主権拡大を主張すれば、政府としては地域間格差を是正する介入はせず、「それでは地域は自分たちでやってください」と資金の移譲を控えるようになるでしょう。
政府は、基本的には地域の発展には介入せず、地域の発展は地域の裁量によるものであり、その結果は自己責任であるという姿勢です。自己責任とは、つまり政府は地方の面倒は見れませんということを意味します。
もう政府は地方の守護者ではありません。政府は地域格差の是正をすべきであるということの是非を議論しても、このフレームワークはよほどのことがない限り変えられないと考えています。
昨日のブログ「地域による地域のための地域政策」でも書きましたように、地域において上手く地域政策を立案・展開できる力が求められてきています。
新自由市場主義の時代、人だけでなく地域もグローバルな競争市場の中で生き残りをかけていかなければならない状況に立たされています。
地域は対東京の相対的な視点で足りないものを求めるのではなく、自分達を正確に認識し、何がほんとうに必要なのかを見極めていく能力が必要になっていきます。
<地方都市の生き残りを考える参考文献>