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岡山県西粟倉村の『ローカルベンチャー』

岡山県西粟倉村で『エーゼロ』と『西粟倉・森の学校』を営んでいる牧大介さんの著書『ローカルベンチャー』を読みました。

西粟倉村は2017年にはUターン、Iターンの移住者が増え、人口が増加した。今、地方活性化の事例として島根県海士町とともに注目を集めている地域です。

西粟倉では「百年の森林構想」をもとに林業による地域振興を行っている。そこで2018年までにベンチャーベンチャーが約30社創業されている。過疎地において新しくビジネスが起こされることは難しく、それが30社ともなればそれは奇跡に近いと言えます。

西粟倉村で取組まれている林業の六次産業化、ふるさと納税、エコ発電、地域商社、地域通貨ICO)など、今どきの取組みがオンパレードに紹介されています。

なぜ、今回この本を取り上げたかというと、この本で紹介されている地域経済はこれからのローカルエコノミーのモデルになるのではないかと考えるからです。現在、大学で「地域経済学」の授業を担当しているが、国民経済の地方版としての地域経済学はあくまでも成長主義であり、その地域経済の成長モデルは愛媛県をはじめ多くの地方経済ではリアリティのないものとなっています。

著者自身も書いていることですが、著者は京都大学で森林生態学を勉強していたので、地域経済を構想する目も生態学的な視点で考えれいるものだと思います。これからの地域経済を考える一助となる本です。

 

ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている

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