地域戦略ラボ

地域経済や地域マネジメントに関していろいろな事を考えていきます。

society

ヨーロッパのイノベーション首都2020にルーベン(ベルギー)が選定されました。

EUでは2014年からヨーロッパにおける先進的なイノベーションの取組みを行っている都市地域をi-capital(首都)として表彰しています。今年はベルギーのルーベンが選定され、100万ユーロを獲得しました。 ルーベンはルーベンカトリック大学やIMECなどの学術・…

コロナ禍において大学生はプライバシーをとても重要視している

現在のコロナ禍において、感染者を増やさないことと、経済を回すことの両立が求められています。また 、緊急事態宣言などのような強制力をもって人々の行動を制限することが難しくなってきています。そこで、前期の授業で大学生にアンケートを取り、大学生の…

[読書レビュー]知識経済における地政学について考える

『Geopolitics of the Knowledge-based Economy』はフィンランド・ヘルシンキ大学地理学部のサミ・モイシオ教授の著書であり、2019年にRegional Study Associationの著作賞を受賞した本である。 知識経済を地政学の視点で論じるにあたり、2つのアプローチが…

アフターコロナ社会を思い巡らす(1)

今回の新型コロナウイルスの蔓延は全世界に広がり、世界史に残るような大きな出来事となっています。 今回の出来事は今後文明的な変換をもたらすでしょう。 その中で多くの人が新型コロナウイルス後の世界を想像し始めています。 朝日新聞ヨーロッパ総局長の…

地域格差は是正されるのか?

地域格差の是正について、高度成長期は、日本全体が経済成長する中で、産出された富の分配として富める地域から富めない地域へ経済的支援という側面がありました。 しかし、国全体が経済成長していない中で、富を分配すること自体が難しくなっていっています…

地域による地域のための地域政策

欧米の地域政策の最近のキーワードとして"place-based approach"、つまり場所をもとにした政策アプローチが挙げられます。 今までの地域政策は中央政府によるトップダインの政策が多く、”One size fit all”として、画一的なアプローチが多かったですが、それ…

イノベーションにおける地域 (2)イノベーションにおける機能・環境空間としての地域

先日はイノベーションにおける地域としてイノベーションの拠点性について考察した。 本日はイノベーションにおける機能・環境空間としての地域について考える。 イノベーションのための知的集積拠点とは単独で存在するものではありません。人々や企業が研究…

文系の劣位が日本の成長の制約要件であるという仮説

一頃、大学の文系不要論が盛んに議論されておりました。その議論に今更乗っかるわけではありませんが、この問題について考えていることをまとめてみたいと思います。 私は大学の文系教員なので、当然ではありますが、大学の文系教育は不要ではないという結論…

人口減少社会において持続可能な地域をつくれるのか?

『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)』 が書き示すように、日本の地域は人口減少により将来消滅すると言っても決して驚くような言説ではなくなりました。 下図は愛媛県八幡浜市の人口動態を示したグラフです。1950年に7.3万人だった人口が20…

世界のテックシティー(イギリス編)

世界にはハイテク、特にデジタル技術をもとにした新しいビジネス活動が集積している都市・地域があります。 以下、世界のテックシティーについて紹介していきたいと思います。 まずは、イギリス編 イギリスには優れた学術機関があります。2020年THEの世界大…

大学を殺すのは誰か?

大学に対する不満が大きく論じられています。 特にYou tube界隈ではホリエモン、イケダハヤト、マナブ、岡田斗司夫、ひろゆき などによる大学不要論が大きく展開されています。 彼らの主張の多くは、大学は時代に合っていないオワコンである。自分たちも大学…

[読書メモ]産業革命も連続的イノベーションによってもたらされた

ジョエル・モイキア、監訳長尾伸一、訳伊藤庄一(2019)『知識経済の形成 産業革命から情報化社会まで』名古屋大学出版会 本書は 経済史の泰斗である米国ノースウエスタン大学教授のジョエル・モイキアの”The Gift of Athena””の邦訳本です。彼は、技術革新…

データで見る東京一極集中:地方創生総合戦略1期の検証

昨日のWeb News Business Japanに「なぜ広島県が人口流出ワースト1位…」という記事があり、気になりましたので、データーソースの住民基本台帳人口移動報告2019年(令和元年)結果にあたってみました。 まず、広島県の状況を見る前に、内閣府の「まち・ひと…

デトロイトに見る産業都市の盛衰

20世紀を代表する産業都市としてアメリカ・ミシガン州のデトロイトが挙げられる。デトロイトは自動車産業の興隆とともに発展していった町である。デトロイトの興隆から衰退の軌跡について見ていきたいと思います。 1. デトロイトとフォードの発展 自動車産…

テックシティの興隆 その2

2月8日のブログでも書きましたが、アメリカを中心にテックシティへの富の集中が進んでいます。 最近、イギリスLSEのSimona Iammarino教授らがデジタルテクノロジー企業の富の偏在が地理的に与える影響について分析していますので、ここに簡単に紹介します。 …

イノベーションのためのコミュニティとは

イノベーションのネットワークは、それを構成する企業や大学およびそれらに所属する人々が特定の目的や言語(コード)、文脈を共有しコミュニケーションを密に行っていくことでイノベーションのコミュニティへと発展していきます。 コミュニティとは、地域共…

イノベーションをとりまく地方的雰囲気について

地方都市に住んでいると、”イノベーション”という言葉とそれに対する反応が東京の大手企業やマスコミで捉えられているものと違うと感じます。 イノベーションを取り巻く地域の雰囲気について、以下にその違いの背景について述べていきたいと思います。 ①イノ…

地方創生で地方は恩恵を受けています。

都道府県別の就業者数の変化を見てみました。 (資料 総務省「労働力調査」を参照) 図1は全国の就業者数の2002年から2018年の変化をみたものです。2002年には6335万人であったものが、東日本大震災後の2012年には6278万人に落ち込み、2018年には6667万人に…

イノベーションのためのプレイス(場所)ブランディングを考えています。

地域ブランディングと言えば、地域特産品のブランド化や観光における観光商品の開発においての議論が多いです。 しかし、イノベーションの創成においてもプレイス(場所)ブランディングが重要だと考えます。なぜなら、イノベーションのためには、多くの資金…

地域活性化に熱心な自治体の人口動態

地域活性化に熱心に取り組んでいて、マスコミなどで”成功事例”としてよく取り上げられる自治体がいくつかあります。 地域活性化の目的の1つが”地方消滅”を回避するため、人口の増加を図ることが挙げられますが、そこで地域活性化に熱心に取り組んでいるいく…

[解説記事]都市地域(city region)って知っていますか?

都市地域ってご存知ですか? 以下にイギリスの研究動向を中心に都市地域について簡単に解説したいと思います。 <目次> 1.都市地域がなぜ注目されているのか (1)都市地域のはじめ (2)地域から都市地域へ 2.都市地域の論文数の推移 (1)研究論文…

コミュニティ開発としてのシビックエコノミー

最近、シビックエコノミーという言葉を耳にする。社会の課題に向き合い、事業性を考えながら社会に役立つ解決策を図るような活動を指すことが多い。しかし、それではソーシャルビジネスと同じではないかと思う。 そこで、『日本のシビックエコノミー』という…

勝手に広島県改造計画

広島県および広島市はポテンシャルが高く、日本国土のなかでも重要な場所だと前から思っていた。最近、福岡が注目されているが、福岡は朝鮮半島に近すぎる。広島は朝鮮半島に近すぎず、遠くもなく、程よい距離感である。明治期に広島市に陸軍がおかれ(なの…

電気自動車の時代が来る

今日、ある大学の研究所で開発中の電気自動車に乗せてもらいました。 うるさくないし、臭くないし、走りも安定していたし、これは電気自動車の時代が来ると実感しました。 第一燃えていないのがいいですね。燃えているものを走らせることはなんとなく心地悪…

神山町でさえもこの状況

よく地方創成の成功例として取り上げるものの一つに徳島県神山町があります。 NPO法人グリーンバレーの大南信也さんらが中心になって、地域活性化に取り組んでいます。IT企業のSansanがサテライトオフィスを開いたり、若い移住者が来たりしていると話題にな…

グローバル主義の退潮と地域主義の停滞

トランプが大統領になり、イギリスがEUを脱退する。中国やロシアは昔から国家主義であり、世界全体がグロバル主義とは逆のベクトルで動くようになっている。 つまりは、国(ナショナル)レベルの力が強くなっている。このことは、その作用として地域(サブリ…

日本の大学生は世界一賢い?

BBCの報道によると、OECDから国別の大学卒業生のテスト結果が発表されたそうである。それによると日本の学生が最も優秀だそうである。 現場にいると本当なのだろうか?っと疑ってしまう。論理的に考えられない、文章が書けないのが普通な状況である。それで…

人口減少社会

地方では人口減少がリアルに存在しています。地域経済論の授業に出席している学生のも人口問題に高い関心を示しています。 Yahoo!ニュースでは、吉川洋の『人口と日本経済』と村上由美子の『武器としての人口減社会』を紹介しています。その中で、イノベー…

デジタルテクノロジーに遅れる日本

当ブログ9月20日の 「デジタルシティー/テックシティー」に書いたことではあるが日本は技術におけるデジタル化(digitalization)の認識が遅れていると感じている。デジタル化とはTVのアナログ波がデジタルになるという話ではない。デジタル化の技術変化に…

公共をかたち化・組織化する力

愛媛に来て3か月強が経ちました。ローカリティについてずっと考えています。東京などの大都市と比べて、愛媛には何が足りないのかなって思うと、公共をかたち・組織にすることがあまり上手くないような気がします。都市計画とか、建築設計とか、大学組織とか…