場所をブランディングする
電通 abic project編の『プレイス・ブランディング』(2018)を読みました。
著者は”地域ブランド”は産品のイメージが強いため、場所自身をブランド化する取組みを”プレイス・ブランディング””を銘打って、新しいコンセプトとして展開しています。
私は「地域イノベーション」について調査研究をしていますが、欧米の地域は、科学技術や企業(起業)活動に関する投資や人材の獲得のために、地域(場所)のブランド化を積極的に行っております。
行政やそれに準じる機関がマーケティングを行い、クリエイティブシティーとして革新的で創造的な都市のイメージを世界ににRPすると同時に、実際に都市空間をクリエイティブ階級の人々が暮らしやすいように改造したりしています。
欧米、特にヨーロッパは都市間競争が激しい点と、国のフレームより都市(地域)が強いことなどあり、プレイス・ブランディングが盛んに行われています。
なので、イノベーション政策が、研究開発の支援、都市空間の整備、地域マーケティングと複合的に展開されています。
日本では、プレイス・ブランディングとは観光として展開することが多いのが現状だと思います。
欧米に比べると日本の地域は地域間競争はそれほど強いとは言えず、また、地域は国のフレームに従属しているという状況なので、自分たちで場所(地域)を売り出していくという意識は決して高くないような気がします。
しかし、日本の地域は今後、マーケティングをして、ブランド化を図り、しっかり地域の魅力を伝え、投資や人材の獲得を図っていくことが必要になってくるのではないかと思っています。
よって、地方公務員の能力も法律や規則に沿って仕事を行うことだけではなく、地域の魅力を開発して売り出していくマーケティング能力も問われていくようになると思います。
プレイス・ブランディング -- 地域から“場所"のブランディングへ
- 作者: 若林宏保,徳山美津恵,長尾雅信,電通 abic project
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2018/04/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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