地域戦略ラボ

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”イノベーション”って“創新”って言い換えようよ

「企業の発展には”イノベーション”が重要だ!」「地域の活性化には”イノベーション”を起こすことが必要である!」などと”イノベーション”は世間で幅広く使われる言葉となっています。

イノベーション”ってその昔は”技術革新”って言われていました。しかし、いつからでしょうか?”イノベーション”とは、必ずしも技術を伴わないものもあるので”技術革新”は不適切だということで、innovationはカタカナの”イノベーション”になりました。私の記憶だと、少なくとも21世紀になってからは”技術革新”という言葉は使わず、もっぱら”イノベーション”とカタカナで標記するようになりました。私の授業でも、innovationは”技術革新”と訳してはいけないと教えています。

しかし、この”イノベーション”という言葉が”イノベーション”の普及を阻害しているような気がします。”イノベーション”という言葉の概念が曖昧な感じで、日本語として生きている感じがあまりしないように個人的には思います。

中央政府の役人や大都市の大企業の経営者などの頭の良い人たちは、”イノベーション”って言う言葉を立ちどころに把握してしまうのであろうが、どうも地方に住む者としてはあまり身近な言葉ではないような気がします。地方にいると”イノベーション”って遠い世界のもので、リアリティがありません。また、一般的にイノベーションに関するリテラシーがあまりないというのが現状だと思います。

innovationは中国語では”創新”というらしいです。でも”創新”の方が意味として捉えやすいような気がします。現在の中国では「大衆創業、万衆創新」というスローガンのもと”イノベーション”を起こすことが国民運動的に展開されています。日本人にとっても”創新”の方が馴染みやすいし、言葉として肚に座った感じがあります。

その昔、文明開化で日本に入ってきた西洋の文物を日本語に訳し、それが中国語としても使われているものもあるようです。それの逆ではありますが、中国語に訳された概念を日本語にしても良いのではないでしょうか。

”創新”という言葉は”イノベーション”という言葉よりも、特別感がなく、”イノベーション”に取り組むにあたっても、ハードルが低くより気軽に取り組み始められるような気がします。そうすれば”イノベーション”がもっとあちらこちらで行われるようになるのではないでしょうか?