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高度人材都市ランキング

INSEAD人材に関する国際競争力ランクが発表された。

 国別ランクは1位スイス、2位シンガポール、3位英国、4位アメリカ合衆国、5位スウェーデンの順であった。ちなみに日本は21位であった。

今回のレポートでは、都市・地域は人材獲得競争において非常に重要な要素であるということから、国の順位の他に、46の都市の分析をおこない国際的に人材獲得競争力のある都市のランキングも試みに公表されていた。

都市ランクは1位コペンハーゲン、2位チューリッヒ、3位ヘルシンキ、4位サンフランシスコ、5位イェーテボリ、6位マドリッド、7位パリ、8位ロサンゼルス、9位アイントホーフェン、10位ダブリンであった。昨年行ったアイントホーフェンが9位にランクインしていた。東京は調査対象外であった。

 

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このようなランキングは数多くあり、本調査はサンプル数が少ないのでこのランキング自体に大きな価値はない。しかし、この結果から学べることはある。

まず、国際的に人材獲得が競争力向上には必要であり、そのためには都市・地域が非常に重要であるという強い認識である。いかにハイテク系の人材を獲得するかということが国の将来を左右するといっても過言ではない。

次に、大都市圏ばかりが強いわけでもないという事実である。報告書でも指摘してあることだが、パリやマドリッドは国際的なメトロポリスであるが、北欧の都市やアイントホーフェン、ダブリンは40万人都市である。松山市と大して変わりはない。ハイテク産業を育てるのに人口の多寡だけで決まるものではないということである。

また、報告書では、頭脳の定着だけではなく頭脳の循環が見られるとしている。人材を囲い込むというより、出たり入ったりの大きな人の流れが必要であると言える。

国のイノベーション政策は、産学のマッチングやベンチャー創出等行っているが、そのような活動を行う人のための空間政策が必要であろう。そのイノベーションの空間政策を実施・マネジメントできる能力を持った国際的視点を持った地域主体(マネージャー)も必要である。

参考までにこの指数を構成するのにどのような項目を指標として使用しているかを下記に示す。

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