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外国人観光客が2020年に4000万人?

 3月30日に政府から「明日の日本を支える観光ビジョン」が発表された。2015年に約2000万人だった外国人観光客を、2020年には4000万人にするらしい。ただでさえ混みこみの東京・大阪のホテル事情なのに、これ以上どうするのだろうか?

これからアジア諸国の中間層が増加し、海外旅行できる人口も増えてくるので、来日外国人観光客見込み数を増加させるのはわかるが、あまりに根拠のない数値は意味のない目標である。

数を増やすことも重要であるが、来日する観光客の質を向上させることももっと議論したほうが良いだろう。デービット・アトキンソンさんの本でも書かれているように、富裕層をうまく獲得することが肝心である。日本の観光産業の付加価値を上げて、そこで従事する人々の所得を上げてかないと、貴重な若年労働者を生産性の低い仕事に貼り付けることになってしまう。 

 観光白書では海外渡航する日本人が減少し、日本に来る外国人旅行者数と数が逆転したことが公表された。日本人は海外旅行できる余裕を失い、アジアを中心とした外国人は豊かになり、海外旅行できるようになってきているということだろう。

 

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

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